歯ぎしりや食いしばりによる顎の疲れや歯への負担を軽減する方法として、ボトックス(ボツリヌス治療)が用いられています。咬筋(噛むときに使う筋肉)の働きを一時的にゆるめることで、噛みしめの力を抑えられるのが特徴です。ただし、その効果はずっと続くわけではなく、一定期間で自然に薄れていきます。では、治療をやめると体にはどんな変化が起こるのでしょうか。今回は、ボトックス(ボツリヌス治療)をやめた際の見た目や筋肉の変化、注意すべきポイントについて解説します。
1. ボトックス治療が効果が一時的な理由とは
ボトックス治療は、効果の持続期間に限りがある治療法で、時間の経過とともに自然に作用が弱まっていく特性があります。これは、ボトックスの働き方に由来します。
①咬筋の動きを一時的に抑える働きがあるため
ボトックスは、神経と筋肉の信号のやり取りを一時的にブロックします。
その結果、過度に働いていた咬筋の緊張がやわらぎ、食いしばりや歯ぎしりの負担を軽減できます。ただし、神経の伝達は一定期間後に回復するため、効果は永続的ではありません。
②成分が体内で徐々に分解されるため
注入されたボツリヌス製剤は、体内でゆっくりと分解・吸収されていきます。一般的には3〜6か月ほどで効果が穏やかに薄れていくとされています。
③効果の終了は「後戻り」ではなく「回復」
ボトックス治療は、抑えられていた筋肉の動きが元に戻ることで、しわやエラの張りが再び見られることがありますが、これは「悪化」ではなく、あくまで自然な回復過程と考えられます。
④継続は選択肢の一つ
効果を維持したい場合は、医師の判断により定期的な施術が提案されることもありますが、必ずしも続ける必要はありません。生活スタイルや価値観に合わせて、自分でやめるタイミングを選ぶことができます。
ボトックス治療の仕組みを理解していれば、やめた後も必要以上に不安を感じることなく、自然な変化を前向きに受け入れられるようになります。
2. ボトックス治療をやめた後に起こる変化
ボトックス治療をやめると、体にはどのような変化が起こるのでしょうか。
もちろん個人差はありますが、よく見られる傾向をまとめました。
①咬筋の動きが徐々に戻る
治療によって緩められていた咬筋が回復し、噛む力が少しずつ元に戻ります。
日常的な噛む動作も自然に戻ります。
②筋肉のハリが戻ることがある
エラの張りが目立ちにくくなっていた方では、効果が薄れるにつれて筋肉のボリューム感が少しずつ戻ることがあります。
ただし、数週間〜数か月かけて徐々に変化していくのが一般的です。
③回復スピードには個人差がある
長期間治療を続けていた場合、使われていなかった筋肉が再び動くまでに時間がかかることがあります。
一方で、短期間だけ治療を受けた場合は早く戻ることもあります。
④噛みしめの自覚が戻ることも
「以前より食いしばりを感じるようになった」と思う方もいますが、これは筋肉が元に戻ったために気づきやすくなっているケースが多いです。
⑤顎や肩の緊張感が戻る場合もある
ボトックスで軽減されていた顎や肩まわりのこわばりが、徐々に戻ることがあります。
生活習慣の見直しやマウスピースの活用などで上手にコントロールしましょう。
やめた後は、体がゆっくりと元の状態に戻っていく自然な過程です。
焦らず、変化を前向きに受け入れることが大切です。
3. ボトックス治療をやめるときの注意点
ボトックス治療をやめる際は、見た目だけでなく気持ちや生活への影響にも注意が必要です。以下のポイントを意識すると、自然な変化に対応しやすくなります。
① 「やめたら悪化する」と思い込まない
効果が切れたあとに筋肉の動きが戻るのは自然なことです。治療前より悪化するわけではありません。
② 段階的にやめる方法もある
急にやめるのが不安な場合は、施術間隔を少しずつあけながら調整する方法もあります。体の変化を確認しながら無理なく進められます。
③ 噛みしめの原因を見直す
ストレス・睡眠不足・姿勢の乱れなども、食いしばりを悪化させる要因です。ボトックスをやめるタイミングで、生活習慣を整えることが再発予防にもつながります。
④ マウスピースなどの併用を検討
夜間の歯ぎしりが気になる方は、ボトックスに代わってマウスピース治療を取り入れるのも効果的です。
⑤ 焦らず経過を観察する
筋肉や噛み合わせの変化はゆっくり進みます。
気になる症状がある場合は、歯医者で相談しながら経過を見ていきましょう。
ボトックス治療をやめることは、必ずしも否定的な判断ではありません。無理のないペースで、納得のいく選択をしていきましょう。
4. 横浜・たまプラーザの歯医者 州デンタルオフィスのボツリヌス療法(ボトックス治療)
横浜市青葉区・たまプラーザの歯医者「州デンタルオフィス」では、歯ぎしりや食いしばりによる歯や顎の負担を軽減する方法のひとつとして、ボトックス(ボツリヌス療法)を取り入れています。
注射による処置のため、所要時間が短く、仕事や日常生活への影響が少ないことが特徴です。
ボトックス治療の特徴① 医療的視点でのボトックス活用
美容目的だけでなく、咬筋(あごの筋肉)の過度な緊張を緩和することを目的に施術を行います。
歯のすり減り・詰め物の脱落・顎関節の不調など、歯科的なダメージ予防を重視した治療方針です。
ボトックス治療の特徴② KFDA(MFDS)認証製剤を使用
使用するボツリヌス製剤は、KFDA(韓国食品医薬品安全処)認証を受けた品質基準を満たす製剤。歯科で安全に使用できる水準のものを選択しています。
ボトックス治療の特徴③ 咬筋測定と定期検診を組み合わせた管理
施術前後には電気的な筋力測定を行い、咬筋の緊張度合いを客観的に確認。
「効かせっぱなしにしない」をテーマに、定期検診とセットで経過を追いながら施術を調整しています。
ボトックス治療の特徴④患者さんの症状に合わせたプログラム
「朝起きると顎がだるい」「歯がすり減っている」「エラの張りが気になる」といった症状は人によって異なります。
州デンタルオフィスでは、咬筋測定 → ボトックス注射 →効果 測定 → 再施術というサイクルを約4か月で1セットとし、患者さんごとに治療計画をカスタマイズしています。
ボトックス治療の特徴⑤ 無理のない施術環境
注射時には表面麻酔を用いるなど、痛みや不快感に配慮しています。
施術後は日常生活に大きな制限がなく、基本的にそのまま帰宅できます。
ボツリヌス療法(ボトックス治療)は、歯ぎしりや食いしばりに悩む患者さんにとって、歯や顎を守るための治療のひとつです。
横浜市青葉区・たまプラーザで歯ぎしり・食いしばり治療をご検討の方は、州デンタルオフィスへご相談ください。カウンセリングのみの予約も可能です。
※「ボトックス」という名称は、アラガン社が製造販売する薬剤の商品名です。正式には、ボツリヌス菌が生成するたんぱく質を利用した「ボツリヌストキシン注射」と呼びます。
※効果や持続期間には個人差があります。妊娠中・授乳中の方は施術を受けられません。
▼州デンタルオフィスのボトックス(ボツリヌス療法)
https://www.shu-dental.jp/treatment/dentalbotox
まとめ
ボトックス治療は、食いしばりや歯ぎしりなどの原因となる咬筋の働きを一時的に抑える方法として利用されています。やめた後は筋肉の動きが徐々に回復し、噛む力や見た目にも変化が見られますが、これは自然な経過です。
治療を終えた後こそ、歯や顎に負担をかけない生活習慣を見直し、自分に合ったケアを続けることが大切です。
ボトックス治療をご検討中の方は、横浜・たまプラーザエリアの歯医者「州デンタルオフィス」までお気軽にご相談ください。
監修:州デンタルオフィス
白土 州(院長 / 10studyClub 理事)
福岡歯科大学 卒業
九州歯科大学附属病院 口腔インプラント科
日本口腔インプラント学会会員
日本顕微鏡歯科学会会員

